昔よりも高齢者が元気に!

昔の高齢者より、しっかりしている気がする、そんな声をよく聞きます。
実際にそうなのですが、今まで具体的な調査結果を出すことができずにいました。
そんな中、海外の大学がこの結果を反映した研究論文を出したので本日はその話題を中心にお話ししていきます。

コラム

内閣府の資料によると、世界全体で平均寿命は増加の傾向にあり、世界トップクラスの長寿国である日本の平均寿命は2019年で女性が87.45歳、男性が81.41歳とわかっています。
実際に寿命が延びているだけでなく、過去の70代や80代よりも現代の70代、80代が元気なことが分かりました。
「30年前と比較すると70~80歳の高齢者の身体的および認知能力は高くなっている」ことがフィンランドのユヴァスキュラ大学の研究チームによる調査で判明したのです。

調査内容は、三十年前の高齢者である1910年~1914年までに生まれた75歳と80歳の高齢者500人のデータ、そして1938年~1939年、あるいは1942年~1943年に生まれた75歳と80歳の高齢者のデータを収集して比較を行いました。
データは、歩行速度・握力・膝の屈伸力・肺機能・肺活量です。
これらを比較すると、歩行速度では平均で毎秒0.2m~0.4m早く、握力は5%~25%、膝の屈伸力は20%~47%、肺活量は14~21%向上していることが判明しました。
つまり、個人差はあるものの、30年前の高齢者よりも体力が向上しているのが現代の高齢者なのです。

認知能力は、音韻言語の流暢性、作業記憶、反射神経といった認知能力を測るテストの結果を比較したところ、すべての認知能力で現代の高齢者の方が高いことが分かったのです。

これらの結果の理由として、身体活動の増加と体自体が大きくなったことが理由だと考えられるそうです。また、認知能力の向上の主な要因は、義務教育を受けた人が増えたという点を挙げました。

外国のデータではありますが、こういった結果が分かるのは嬉しいことですし、実際に昔の70代80代より元気な方が増えたとは思いませんか?身体活動は、無理のない体操やスポーツ、庭仕事、畑作業で増やすことができますから、是非続けていきましょう。

今週の一枚

姨捨の棚田を早朝見に行こうと思い、展望台まで行ったら霧に埋もれて見えませんでした。
比較的標高の低いところだったのですが、ここまで霧が巻くのだなあとびっくりした際に撮影した一枚です。