ミドル・シルバーのための食事ポイント

甚大な被害をもたらした台風から1年が経過しました。

実際に患者様の中でも被災した方も少なくありません。

特に農作物や果樹園、畑などが水没し、大変な思いをされた方もいます。

何とか出荷できた方もいれば、ようやく新しく植え直した木がなじんできたという方もいます。

復興は道半ばですが、必ず終わりが来ると信じて取り組むことが大切だと思います。

コラム

年齢を重ねるとついついあっさりした味付けや、淡白な食材を好むなど嗜好(好きな食べ物)が変わることも少なくありません。

また、認知症の症状のひとつとしての嗜好の変化も挙げられます。

一人暮らしの場合や、家族と同居していても日中は一人で過ごすときは、どうしても手軽に食べられるめん料理やお茶漬け、パンですませてしまいがちです。

そんなミドルからシルバー世代の方に気をつけたい食事のポイントを紹介しましょう。

足りない栄養素を知る

もともと食事に偏りが出やすいのですが、足りない栄養素が特に顕著になります。

ざっと紹介すると以下のものが挙げられます。
・たんぱく
・ビタミン
・カルシウムやカリウムなどのミネラル
・食物繊維
・水分

糖質はご飯、脂質はおかずで十分摂取しているのですが、肉や魚、野菜などが少ない傾向ですから、意識して摂るようにしましょう。

食べやすく加工する

足りないものを無理に食べようとすると食事も辛くなります。

食べやすく加工することも重要です。

・肉・野菜類・いも類は一口大の食べやすい大きさにする
・肉は皮を取ったり、細かくする
・野菜は皮をむいて、しっかり加熱して柔らかくする
・葉物野菜は柔らかいところだけを使う
・根菜は繊維を断ち切るように横方向へ切っていく

ミキサーを使って柔らかくする手もありますが、ここまでしてしまうと食事の楽しさが半減してしまうので、可能であれば上記の工夫で食べるようにしましょう。

味わって食べる

若いころの習慣でお腹がすいていると、ついつい飲むように食べてしまう方がいます。

そうなると消化にも悪く、食材の旨味を感じることができません。

できる限り20回くらいは噛んで食べることをおすすめします。

こういった食べ方をすると、
・身体機能をフル活用して食べるため良い刺激になる
・食べ物を噛むと脳が活性化する
・唾液も出やすくなることから、口腔内の衛生状態がよくなる
・胃腸の動きが活発になる

と言った利点が出てきます。

食べる環境を整える

自覚はなくとも、意識散漫になって食べていたり、身体がねじれた状態で食べていたり、誤嚥や消化不良の元になっている食べ方をしている方も少なくありません。

環境を整えることで、より消化も良く、食後の不快感も減ります。

要点として、

・食事時間を決めておく
・テーブルで座って食べる時は足をつけて食べる
・食事に集中できるように、テレビやラジオなどは消す
・適度な明るさで食べる(料理がおいしく食べられる、箸から落とすのを防げる)

歯科医師に相談する

歯のコンディションが悪いと、おいしい食事もおいしくいただけません。

整骨院では専門外になる部分も多いため、歯が合わず痛みがあるなどの口腔トラブルを抱えている場合は、早めに相談しましょう。

だ液も減少してしまうため、歯周炎・歯肉炎を招き口腔内が不衛生になり、口の中の痛みや不快感で食事がまずくなることもあります。

今週の一枚

信更では稲刈りが終わり、独特な組み方で藁を干しています。

地域によってこの組み方は異なり、九州ではやぐらを組んで干しているのを見たことがあります。