古傷についての考え~考え得る原因とその対策

最近梅雨がぶり返したような天気が続いています。
そういった天気になると数か月前に負傷した部分の症状がぶり返すと言った訴えをされる患者さんも少なくありません。

そこで今回過去にケガをした部分、いわゆる古傷についてまとめてみようと思います。

原因について
1)気圧の影響
気圧低下によって症状が出る場合があります。これは内耳にある気圧受容器が反応して交感神経が活性化し、血管の収縮が起こります。血管の収縮によって古傷の周辺にある感覚神経を刺激してしまうそうです。
同様にストレスは交感神経を活性化させるため、同様の作用が起こり痛みがよみがえるようです。

2)天気の影響
天気が崩れると気圧が下がる事が多いようです。そういった変化があると気圧を感じるセンサーが敏感になって脳に伝達し、交感神経が活性化。先に説明した血管の収縮によって痛みが出るようです。曇りや雨の日は気圧の低下によって古傷がうずきやすくなります。

3)体の冷え
体の冷えは神経が活発になり痛みを感じやすくなります。冷え性の場合特に顕著なようです。

4)古傷が完治していない
古傷が痛む根本的な原因は、まだ「古傷が完治していない」可能性があります。そもそも完治していれば古傷は痛みません。痛むのなら完治していないとも考えられます。。

5)運動による再発
軽い運動をしたときに古傷が痛む人は多いのです。なぜなら、運動により筋肉が緊張するからだと言われています。特に、酸素や栄養が十分に足りていない場合、「乳酸」や「ブラジキンニン」「たんぱく分解酵素」の量が増え、それらの物質が痛みを引き出すことがあるのです。

対策
これらのきっかけによって不幸にも症状が出てしまった場合はいくつか対処方法があります。
1)緊張している部分の筋肉をやわらかくする
古傷を完璧に治すには長期的な視野で古傷と付き合っていかなければなりません。地道に治療を続けていけば次第に古傷の痛みもなることが多いと思います。

まず、緊張している部分の筋肉をほぐす必要があります。古傷の周囲にある筋肉は緊張しているのです。緊張している筋肉を温めたり、無理のない範囲でストレッチしたり、さすったりして筋肉の状態をよくする必要があります。

このほか具体的には温めて血行をよくしてあげると痛みがやわらぐことが多いと思います。入浴やカイロなどを利用しても効果的です。
また、「冷え」というと冬場をイメージしますが、夏でも冷房が効いているところは体が冷えやすいので注意が必要です。冷房が効いている職場で働いている方や冷房が効いているところで長時間過ごす場合は、古傷の周辺を冷やさないように注意が必要です(ブランケットや長袖の服など衣類を工夫すると良いかもしれません)。

2)規則正しい生活習慣をすごす
古傷の痛みは「ストレス」や「栄養不足」など生活習慣に関係しています。十分な睡眠の確保や栄養バランスが整った食事、ストレスとの上手な付き合い方、そして、適度な運動も(痛みが出ない範囲で)必要です。
コンビニ弁当やレトルト食品ばかり食べている人は栄養不足になりがちです。また、筋肉をやわらかくするための成分や凝固している部分を取りのぞくことはできません。栄養を十分に摂取するからこそ自然治癒力も向上すると考えます。

3)注意をそらす。
意識が行き過ぎると些細なことで痛みを感じやすくなります。完全に忘れることは無理ですが、意識しないようにすることはできます。古傷に意識が向かないように、仕事や趣味などに集中すると良いのではないでしょうか。不安であれば、温めればよくなる休めば元に戻るなど、ポジティブなイメージを作ることも重要です。

最後に古傷と言っても再受傷と言って再び同じ場所を傷めている場合もありますから、そういった時はお近くの整形外科や整骨院、接骨院にかかると良いかもしれません。