先日患者さんとお話をしていて起きた直後に脱水状態になり、救急車で搬送されたということを聞きました。
夏ももうすぐ終わりですが、まだまだそういった危険性もありますので、今回は起床直後の脱水についてまとめてみようと思います。
自覚症状
起きた直後に「目が乾いて開きづらい」とか「唇がパリパリになっている」とか「のどがヒリヒリする」とか「鼻に違和感があるのに鼻をかんでも解消されない」「頭痛」「だるさ」があります。冬場ですと乾燥や風邪などが考えられますが、夏場の場合「脱水」によるものも多いようです。
注意が必要な方
高齢な方は特にその傾向が強いです。
・気温の高さと体感温度があってない(夏でも寒いこともある)
・汗をかきにくい
・喉の渇きを感じることがあまりない
つまり、感覚が鈍くなっている方がなりやすいと思われます。
どのくらい水分が抜けると危険なのか?
一晩に約300ml(缶ジュース約一本分)の水分が失われると言われています。
体重の約2パーセントの水分が失われただけでも、口やのどの渇きだけでなく、食欲がなくなるなどの不快感に襲われ、約6パーセント不足になると、頭痛、眠気、よろめき、脱力感などに襲われ、情緒も不安定になってきます。
さらに10パーセント不足すると、筋肉の痙攣が起こり、循環不全、腎不全になってしまい、それ以上になると、意識が失われます。
そして、20パーセント不足で死に至るそうです。
人間は70~50%が水分でできています。50㎏の方では30~25リットル程度の水分があります。300mlと言うと約1%になり状況によっては不快感が出てもおかしくはありません。
寝起きの脱水で搬送された方は恐らくそれに加えて入浴、熱帯夜など悪い条件が重なったものと思われます。
(予防)
基本的には熱中症対策と同じになります。
・一定時間で電解質を含んだ水分の補給をこまめにする
・室温が上がりすぎないように調節をする。
・熱い場所で運動や労働をしない。
・塩分のほかに糖分も必要だが、取りすぎると急性糖尿病(特に子供は体が小さく糖の許容量が少ないので濃さや量に注意)の危険があるので注意する。
※食事の後は電解質が足りてる場合が多いので、水だけでも良いかもしれません。
・カフェイン・アルコールには利尿作用があるので、脱水になりやすい人は控えめに。
・夏こそ、常温以上の温度の飲み物を。 消化器は冷えると動きが鈍るため、体温調節上あまりよくないようです。
・寝る前にコップ1杯水を飲む →トイレに起きたくないからといって控えると体温の上昇で脱水気味になり結局体は休まらないということになります。
・朝起きて、コップ1杯水を飲む
・寝ている間の温度管理をしっかりする(機械の自動設定などを活用)
などがあるそうです。
コップ一杯の水を飲む習慣はつけたいところですね。
夏も残りわずかです。頑張って乗り切りましょう!