夏のこむら返り~原因と予防法

最近、暑い日が続き30℃を下回らない日はありません。
暑い中来ていただく患者さんの中には最近足をつることが多くなった気がすると訴える方も見えるようになりました。

「足がつる」という症状は、足の筋肉が強い痛みを伴って、収縮や痙攣している状態のことを言います。とくに多いのが、ふくらはぎの筋肉が収縮や痙攣を起こす「こむら返り(こむらとはふくらはぎの昔の言い方です)」。このふくらはぎの筋肉の収縮や痙攣は、数秒から数分にわたって続きます。

<原因>
原因は大きく2つあり、それは肉体疲労とミネラル不足です。多くの場合は筋肉疲労(乳酸という物質が筋肉に貯まり、「これ以上筋肉を伸ばしてはいけない」という事を脳に伝達する機能を低下させ、これによって伸長のストッパーが外れた状態となり、足に痙攣を引き起こします。)、水分不足、電解質(ミネラルなど)の不足(筋肉や神経が興奮しやすくなったり、疲労しやすくなったりする)、寒暖の急激な変化、神経系の伝達機能低下など、いくつかの要素が重なって起きます。

反対に、運動不足であったり、普段とは違う筋肉の動かし方をしたり、急に力を入れたりして、筋肉に強い刺激を加えることや、冷房で筋肉を冷やしてしまうことで血行が悪くなり、その影響で筋肉が収縮して足がつってしまうこともあります。

このほか少ないですが、神経の異常反射、薬剤(降圧剤やホルモン剤)、病気(糖尿病、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、さらにまれですが、脳梗塞、心疾患→血液循環もうまく足先まで届かず、足がつってしまう)があります。
※なかなか良くならない時は、早めに専門医(内科、整形外科、脳神経外科など)で調べてもらい、原因の究明と、治療をおこなうようにしましょう。

<予防法>
スポーツなどをするときは、事前の水分&ミネラル補給や、運動中の定期的な水分&ミネラル補給、クエン酸の摂取も有効とされているようです。

日常生活では寝る前にお風呂につかって体を温めることや、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチも効果的です。ストレッチはアキレス腱と足の裏の筋を伸ばすもので、普段から段差を利用して、このストレッチを行うことも有効だそうです。

このほか、
偏食をしない(バランスよく食べる)

1日1リットル以上の水の摂取(できればミネラルウォーター)

就寝中や起床時に足がつるのを防ぐためには、普段から疲れをためない、ミネラルや水分
ストレッチやリンパマッサージを行う(疲労物質をため込まない)

毎日睡眠時間を6時間以上とる(十分安息を取り、疲労回復を図る)

寝る前にコップ1杯のスポーツドリンクを飲んで寝る。
※高齢者の場合、日常的に疲労が蓄積し、さらに夜中にトイレに行くのがイヤなために水分制限をして脱水気味になり、寝ている時にこむら返りを起こしてしまいます。

長文になってしまいましたので、対処法については近いうちに書こうと思います。
寝る前の水分摂取は今夜からでもできますので、実践してみてはいかがでしょうか。