音楽を利用して心をいやす

芸術の秋です。コンサートこそ昨今のコロナウィルス感染拡大によって昨年に比べ活発ではありません。しかし、音楽は健康を維持するうえでも重要な要素の一つです。実際に生理的あるいは身体的なレベルで直接影響を与えるものでもあります。そんな音楽について今回は触れていきましょう。

今月の予定

11月23日(月・祝) 午前中のみ受付

コラム

音楽を聴いて元気になったり、感情を揺さぶられるような経験は誰しもがあるはずです。実際に音楽には様々な作用があり、心を癒してもくれます。

耳から入った音楽は脳へ伝わり、そこから自律神経系に作用するといわれています。そして、その自律神経系への影響によって心拍数が変化したり、血圧が昇降したりといったことが音楽の効用です。この効用によってリラックスや興奮、鎮静作用を身体に与えて、癒しを得ることができます。

また、音楽療法といわれるように音楽を聴いてもらうことで感情や認知能力、知覚といった身体機能を活性化させることも可能です。
認知能力については、音楽を聴くことで記憶や感情も影響を与え、昔の記憶が思い出されるなど認知症のアプローチとして用いることもあります。こういった音楽を聴いて思い出させる現象は、「音楽のレミニセンス・バンプ(思い出のこぶ)」とも言われているそうです。

ただ、音楽は同じ曲で万人に同じ効果が出るのではなく、テンポ(速度)、リズム(律動)やメロディー(旋律)、ピッチ(音の高さ)、ハーモニー(和音)、高低の音域や輪郭、歌詞のメッセージ性といったそれぞれの要素によって個々に効果が変わります。そのため、それぞれの個性にあった音楽を聴くのがより効果をもたらすのではないでしょうか。

それでも基本的な音楽の特性というのが存在し、アップテンポの曲には気分を高揚させる効果があり、ゆったりとしたテンポと落ち着いたリズムの曲には鎮静効果があるといわれています。そして、高音のほうが明るく楽しい気分になりやすく、低音は暗く悲しい気分を誘発しやすくなるといったものが挙げられます。こういった特徴を生かして映画やテレビ、YOUTUBEの動画などでは音楽を工夫して演出効果を高めているのです。

最後に効果的な音楽の効き方にも触れましょう。その時の気持ちに合う、共感しやすい曲を聴くとストレス緩和作用が高まります。イライラ時には激しめの音楽、沈んでいるときはスローテンポの穏やかな音楽、元気になりたい時は穏やかな音楽から徐々にテンポの上がった音楽に変えていくといいそうです。もし勉強をしながら音楽を聴きたい場合は、リズムや響きがシンプルな音楽が効果的といわれています。

音楽を工夫して、心の健康を高めましょう。

今週の一枚

北アルプスの雲海です。
ゆったりと流れる雲が自然の神秘を感じさせてくれました。