治療

梅雨と関節の痛み 症状の変化について考える

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先週から本格的に梅雨のような天気になり、一日中雨が降ったり、昼間降らなくても夜降ったのか朝起きてみると地面や植物が湿っています。

こういった季節、関節の痛みや重さを特に感じやすくなる方々が見えますます。
反対に季節関係なく症状が出たり消えたり、あるいは逆に症状が良くなる方も見えます。

雨と痛みについて。梅雨の時期、特に雨の降るような気圧の低い状態になると、炎症に関わる物質であるヒスタミンが増加すると言われています。ヒスタミンは血管を広げ、血圧を降下させたりもしますが、体を緊張させる交感神経を刺激するという作用もあるため、自律神経系の働きの乱れにも関わってくるそうです。その結果として、腰痛や関節の痛み、頭痛、そして肩こりの悪化、体のだるさなどが出てくるのかもしれません。
このように「痛みを感じる」ことに関わる物質が出てしまったり、神経系の作用によって梅雨の時期に症状が悪化したと感じるのではないでしょうか。

反対に症状が良くなる方の話を聞くと、畑仕事をしなかった。建築の仕事ができなかったなど体にかかる負担が普段よりも軽くなったため痛みが出なかったと考えられます。

このように梅雨によって症状が悪化したり、何かしらの変化があることの対策としては関節部分や体を温めて血液の流れをよくしたり、運動を適度に行って汗と一緒に余分な水分を排出するといったことが有効かもしれません。

患部を暖める~暖め方色々~

整骨院や病院では冷やすだけでなく、症状に応じて暖めることも行います。暖めることを温罨法(おんあんぽう)と言います。

効果としては、皮ふ表面の血管を広げて血流を促進し、老廃物や炎症による産物を代謝させるほか、白血球を増やし炎症を抑えたり、知覚神経を沈静させて痛みを和らげたり、腸の動きを良くするという効果もあるそうです。

温罨法の種類は

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湿性といって皮ふがあたる部分に水分を含むもの(温湿布(入れない場合もあるようです)、蒸しタオル、お湯で温めるタイプのホットパックなど)

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乾性といって皮ふにあたる部分に水分を含まないもの(湯たんぽアンカ、カイロ、電気毛布、熱気浴、電気で暖めるタイプのホットパックなど)があります。

温罨法の狙いとして
ホットパックでは、代謝を高めることで筋肉痛や関節痛を緩和する。治療やリハビリの前に行い、循環を促進することで老廃物の代謝、鎮痛を図る。熱気浴(スチーム)では、温熱効果(循環の促進)により硬くなった関節の動きをスムーズにすることが上げられます。

最近では、ヒートショックプロテイン(HSP)と呼ばれる傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質が熱によって増えることが言われており、温罨法によってより効果的な増やし方も研究されているそうです。こういう最新の研究も整骨院で利用できたら―そう考えて日々の業務に当たっています。

 

怪我をしたときの冷やし方~氷に注目して~

スポーツの行事や大会などで救護へ行く機会がありますが、その時に活躍するのが「氷」です。

スポーツ現場では、広く浸透していて日常的に行われていますが、あまりお勧めしないのが、保冷材を使ったアイシングです。

確かによく冷えるのですが、氷のようにとけることがないので皮膚を冷やしすぎてしまい、時に凍傷を起こしてしまうことがあります。なのでやむをえない場合(保冷材をタオルに巻いて)を除いて極力氷を使ったほうが安全だと思います。

家庭で行う場合はスーパーの袋に氷を入れて、少量の水を入れたもの(氷だけよりも効率的に冷えます)を患部に当てるのがお手軽ですね。

もしスポーツで頻繁にアイシングをする場合はスポーツ用品店などで売っている氷のうを使ってもいいかもしれません。そのときはスーパーの袋を使う場合と異なり、氷は

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冷凍庫でつくられるキューブアイスより

 

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さらに小さいチップアイス(ファーストフード店のドリンクに入っているような氷)を使うことをお勧めします。

 

 

 

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(比較:左がキューブアイス、右がチップアイス)

それぞれ氷のうに入れた場合、チップアイスのほうがより患部にフィットして効率よく冷やすことが出来るからです。キューブアイスは専用の製氷機で大量に作ることができますが、家庭で作る場合はホームセンターなどにチップアイスを作る専用の製氷トレーが売られているので2,3枚買って冷凍庫で冷やしておくといいかもしれません。

それか少々面倒ですが、キューブアイスをビニール袋に入れて、タオルに巻いてから金づちなどで細かく砕くという方法もあります。

参考にして下さいね!

救護に行って気合を入れていても氷を渡すだけの氷係になってしまうこともあり悲しいこともありますが、いざというときに働けるよう頑張りたいですね。

 

 

 

この怪我、冷やしたほうがいいの?暖めたほうがいいの?

よく質問される内容として、手首や足首を痛めたときに、お風呂に入って暖めたほうがいいのか、氷や保冷材で冷やしたほうがいいのか聞かれます。

もし、痛めたばかりの場合は冷やすことをお勧めしています。

痛めたばかりというのは多くの場合、そのあとに腫れや痛みが出てきます。冷やすことで血流が落ちて、腫れが強くなるのを和らげることが出来、痛みも冷やすことによって神経の感覚を鈍らせ、炎症が抑えられて改善されるそうです。
目安は20分程度行い、症状が強い場合は20分程度間をあけてから何セットか行うとよいと言われています。

ただし、痛みがズキズキしたものからドーンとした鈍いものに変わったり、痛み自体が和らいできた頃は逆に周囲の筋肉の緊張を和らげ、体の循環をよくするために暖めることをお勧めします。お風呂に長い間使ったり、病院や整骨院ではホットパックなどを当てて患部を温めることが行われています。

痛めた直後は冷やし、しばらくしたら暖めるというのがポイントではないでしょうか。