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突き指について~すぐ引っ張るのはなぜダメか。

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整骨院を開いているとよく見かけるケガが突き指です。

この突き指、一部の人や地域の間ではした瞬間に自ら引っ張って治そうとする人がいます。
ボールなどが当たって指が縮んだような錯覚になりとっさに引っ張るのかもしれません。

しかし、だいたいの場合それは危ない行為です。
応急手当のハンドブックや冊子などで禁止はされています。

それはなぜか?

指の関節には骨以外にも腱や靭帯、掌側板(軟骨の薄い板)などの組織があり、引っ張ることで傷めた骨以外の組織を余計傷つけてしまうからです。
もちろん、骨折や脱臼などの場合は例外で場合によっては引っ張ることもあります。でも、多くの突き指はそこまで壊れてしまうことは少ないと思います。

もし、突き指をしてしまったらまず心臓より高く手を上げて、近くに氷などがあればそれで冷やすというのがベストです。とにかく腫れてどうしようもなければ、バケツに氷水を入れてその中に手を入れてしまうという方法もあります。

そうしたうえで病院へ行ってみてはいかがでしょう。

もちろん「整骨院」に来ていただいても問題ありません。
骨折を伴いより高度な医療施設への紹介が必要か、整骨院内の手当てで済むものか適切に判断し、患者さんにとってベストな選択になるよう努力します!

テーピングについて

スポーツ現場や病院、整骨院などでテーピングを行うことがありますが、今回はテーピングについて大まかに説明してみたいと思います。

効果について。関節の動きを制限したい方向にだけ制限させるほかに、伸縮テープを使って、動かす方向を助ける、逆に動きをよくするという効果もあります。全く逆の効果ですが、巻く方向や貼る方向によって効果が異なります。治療の自由度が高いため、当院では積極的に行っています。

目的について、大きく3つです。
1つめ、予防です。これはケガをしたことのないところ(一度捻挫したところなどはやり方が変わります。)。例えば足首の捻挫予防(バスケ、ラグビー、サッカーなど)や突き指予防(バレーボールやバスケなど)があります。
2つめ、救急処置や治療です。ケガをした部分の安静を保つために行います。強いケガの場合、腫れていることが多いためケガをした部分を固定します。当院では時に包帯固定やサポーター、コルセットなどほかの固定と併用して行います。
3つめ、再発予防が最後の目的になります。リハビリを行うときや練習前、試合前に再発防止を目的として行います。この3つめの目的が現在も最も多く行われています。

当院では巻き方や貼り方を工夫し、目的に合ったテーピングを行っています。

患部を暖める~暖め方色々~

整骨院や病院では冷やすだけでなく、症状に応じて暖めることも行います。暖めることを温罨法(おんあんぽう)と言います。

効果としては、皮ふ表面の血管を広げて血流を促進し、老廃物や炎症による産物を代謝させるほか、白血球を増やし炎症を抑えたり、知覚神経を沈静させて痛みを和らげたり、腸の動きを良くするという効果もあるそうです。

温罨法の種類は

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湿性といって皮ふがあたる部分に水分を含むもの(温湿布(入れない場合もあるようです)、蒸しタオル、お湯で温めるタイプのホットパックなど)

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乾性といって皮ふにあたる部分に水分を含まないもの(湯たんぽアンカ、カイロ、電気毛布、熱気浴、電気で暖めるタイプのホットパックなど)があります。

温罨法の狙いとして
ホットパックでは、代謝を高めることで筋肉痛や関節痛を緩和する。治療やリハビリの前に行い、循環を促進することで老廃物の代謝、鎮痛を図る。熱気浴(スチーム)では、温熱効果(循環の促進)により硬くなった関節の動きをスムーズにすることが上げられます。

最近では、ヒートショックプロテイン(HSP)と呼ばれる傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質が熱によって増えることが言われており、温罨法によってより効果的な増やし方も研究されているそうです。こういう最新の研究も整骨院で利用できたら―そう考えて日々の業務に当たっています。

 

怪我をしたときの冷やし方~氷に注目して~

スポーツの行事や大会などで救護へ行く機会がありますが、その時に活躍するのが「氷」です。

スポーツ現場では、広く浸透していて日常的に行われていますが、あまりお勧めしないのが、保冷材を使ったアイシングです。

確かによく冷えるのですが、氷のようにとけることがないので皮膚を冷やしすぎてしまい、時に凍傷を起こしてしまうことがあります。なのでやむをえない場合(保冷材をタオルに巻いて)を除いて極力氷を使ったほうが安全だと思います。

家庭で行う場合はスーパーの袋に氷を入れて、少量の水を入れたもの(氷だけよりも効率的に冷えます)を患部に当てるのがお手軽ですね。

もしスポーツで頻繁にアイシングをする場合はスポーツ用品店などで売っている氷のうを使ってもいいかもしれません。そのときはスーパーの袋を使う場合と異なり、氷は

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冷凍庫でつくられるキューブアイスより

 

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さらに小さいチップアイス(ファーストフード店のドリンクに入っているような氷)を使うことをお勧めします。

 

 

 

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(比較:左がキューブアイス、右がチップアイス)

それぞれ氷のうに入れた場合、チップアイスのほうがより患部にフィットして効率よく冷やすことが出来るからです。キューブアイスは専用の製氷機で大量に作ることができますが、家庭で作る場合はホームセンターなどにチップアイスを作る専用の製氷トレーが売られているので2,3枚買って冷凍庫で冷やしておくといいかもしれません。

それか少々面倒ですが、キューブアイスをビニール袋に入れて、タオルに巻いてから金づちなどで細かく砕くという方法もあります。

参考にして下さいね!

救護に行って気合を入れていても氷を渡すだけの氷係になってしまうこともあり悲しいこともありますが、いざというときに働けるよう頑張りたいですね。

 

 

 

この怪我、冷やしたほうがいいの?暖めたほうがいいの?

よく質問される内容として、手首や足首を痛めたときに、お風呂に入って暖めたほうがいいのか、氷や保冷材で冷やしたほうがいいのか聞かれます。

もし、痛めたばかりの場合は冷やすことをお勧めしています。

痛めたばかりというのは多くの場合、そのあとに腫れや痛みが出てきます。冷やすことで血流が落ちて、腫れが強くなるのを和らげることが出来、痛みも冷やすことによって神経の感覚を鈍らせ、炎症が抑えられて改善されるそうです。
目安は20分程度行い、症状が強い場合は20分程度間をあけてから何セットか行うとよいと言われています。

ただし、痛みがズキズキしたものからドーンとした鈍いものに変わったり、痛み自体が和らいできた頃は逆に周囲の筋肉の緊張を和らげ、体の循環をよくするために暖めることをお勧めします。お風呂に長い間使ったり、病院や整骨院ではホットパックなどを当てて患部を温めることが行われています。

痛めた直後は冷やし、しばらくしたら暖めるというのがポイントではないでしょうか。