予防

夜の痛み~タオルを使った対処法~

最近急に寒さが増し、夜の痛みを訴える方も増えてきました。そこで今回、肩の夜間痛についてまとめてみました。

夜間の痛みが起こる原因
就寝時に腕の重み(意外と重く、5~8㎏以上あると言われています)により筋肉が引っ張られることが原因です。特に横向きに寝ていると、肩甲骨(けんこうこつ)についている棘下筋(きょくかきん)などの筋肉に負担がかかります。筋肉が長い時間伸ばされてしまい痛みが生じているのです。

肩の夜間痛の対処法

夜間痛をやわらげるために、肩周辺の筋肉が引っ張られないような姿勢で寝ると比較的楽にできます。
次のようなクッションやタオル、抱き枕を使った対策が有効です。

<あお向けで寝る場合>
上を向いて寝ると、肩甲骨が固定されて肩関節が伸びてしまいます。腕を支えるように、肩からひじにかけてクッションなどを敷きましょう。もうひとつのクッションなどをおなかの上に置いて抱きかかえるか、その上に両手を置くと楽になります。

<横向きで寝る場合>
横向きで寝ると、上側になっている腕が体の前に落ちこむ体勢になるはずです。これでは、棘上筋と小円筋(しょうえんきん)という筋肉が、腕の重みで伸ばされてしまいます。腕が落ちこまないように、上側の腕に大きめのクッションなどを挟み込みましょう。こうすると、筋肉を伸ばさずにすむので痛みを軽減できます。ただし、痛みのある肩を下にして寝ると悪化するので注意してください。

<寝る前のポイント>
寝る前には、体をあたためることが大切です。特に、肩周辺を冷やさないように気をつけましょう。就寝前に入浴する、あるいはふとんの肩口から冷えないように肩を覆う「肩あて衣(肩当)」の使用をおすすめします。
また、軽く肩を動かすのも効果的です。痛みを感じない範囲で軽く回したり、あお向けで可能なところまで腕を上げたりします。
ただし、決して無理をしてはいけません。痛みが出ない範囲で行ってください。

次回はポイントをまとめて紹介してみたいと思います。

ビタミンE~注意点と基本

最近テレビなどでサプリメントの広告を多く見ます。その中でもビタミンEを強調する商品もあり、知らないことも多かったため個人的にまとめてみました。

ビタミンについて~
ビタミンは、五大栄養素の構成する栄養素の一つで、人間が生きていく上で必須の栄養素で現在、全部で13種類があると言われています。ビタミンEは、その中の一つです。ビタミンは水に溶ける水溶性ビタミンと水に溶けない脂溶性ビタミンに分かれますが、ビタミンEは脂溶性ビタミンで、他には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンKがあり、他は水溶性ビタミンとなります。
水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても過剰な分は尿に溶けだして体外に排出されるため健康被害が起こり難くいメリットがある反面、体内に蓄積されないので毎日とる必要があります。

一方、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンは、過剰となった分は体内に蓄積されるので、蓄積されていれば毎日摂取しなくても問題ありません。
しかし、過剰に摂取すると健康被害をもたらす可能性があります。ビタミンには良いイメージがありたくさんとっても大丈夫というイメージがあるだけにサプリメントの摂取し過ぎないように注意する必要があります。
ビタミンEに関しては、他の脂溶性ビタミンは吸収率が一定であるのに対して、摂取量が多いと、吸収率は低下する性質があること、多くの過剰な栄養素は肝臓に蓄積されるが、ビタミンEは、肝臓以外の全身に蓄積されること1箇所での濃度が低くなることなどの理由で、過剰に摂取しても健康被害が起こりにくいとされています(ただし過剰摂取は他の脂溶性ビタミン同様望ましいことではありません)。

ビタミンEには、合成と天然型と天然と3タイプがある~
「酢酸dl-α-トコフェロール」と表示されているものは、合成ビタミンEです。
微妙な違いですが、「酢酸d-α-トコフェロール」と表示されているものは、「天然型」のビタミンEです。「d-α-トコフェロール」と表示されているものは、「天然」ビタミンEです。
ヒトの体内で効果が大きいのは、一番が天然ビタミンEで、次が天然型ビタミンE、その次が合成ビタミンEとなります。

効能~
ビタミンEの効能は、抗酸化作用が強く、体内の脂質の酸化を防ぐことにあります。このためアンチエイジング、動脈硬化などの生活習慣病の予防が期待できます。
ビタミンCやセレンと一緒に摂取するとビタミンEの効果が増大することが分かっています。

ビタミンEサプリメントの種類と飲み方~
ビタミンEのサプリメントには、カプセルや錠剤があります。脂溶性なので、ビタミンEと鉄分は8時間以上の間隔をおいて摂りましょう。

ビタミンEの作用まとめ~
体の機能の低下や老化現象は、細胞の酸化が原因とされています。この酸化防止の特効薬ともいえるのが、ビタミンEです。抗酸化物質と称されるものはいろいろありますが、人の体内でその効果が証明されたのは、このビタミンEとセサミンだけといわれています。
人の体の酸化は、細胞膜組織のリン脂質に含まれる多価不飽和脂肪酸が酸化されることによります。過酸化脂質が生成され、細胞膜がさびついた状態となって、ガンをはじめさまざまな病気を招くのです。ビタミンEにはこの多価不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあると言われています。
また、末梢血管の血行をスムーズにする作用もあり、冷え性や肩こり、しもやけ、肌の新陳代謝促進にも有効だそうです。

ビタミンEは、食品では緑黄色野菜やゴマ、アーモンドなどの種実類、植物油、魚介類に含まれています。

参考として、一日の摂取目安は7~9㎎(授乳婦は11㎎)だそうです。(厚生労働省 日本人の食事摂取基準より)

起床した直後の脱水~患者さんの経験から

先日患者さんとお話をしていて起きた直後に脱水状態になり、救急車で搬送されたということを聞きました。
夏ももうすぐ終わりですが、まだまだそういった危険性もありますので、今回は起床直後の脱水についてまとめてみようと思います。

自覚症状
起きた直後に「目が乾いて開きづらい」とか「唇がパリパリになっている」とか「のどがヒリヒリする」とか「鼻に違和感があるのに鼻をかんでも解消されない」「頭痛」「だるさ」があります。冬場ですと乾燥や風邪などが考えられますが、夏場の場合「脱水」によるものも多いようです。

注意が必要な方
高齢な方は特にその傾向が強いです。
・気温の高さと体感温度があってない(夏でも寒いこともある)
・汗をかきにくい
・喉の渇きを感じることがあまりない
つまり、感覚が鈍くなっている方がなりやすいと思われます。

どのくらい水分が抜けると危険なのか?
一晩に約300ml(缶ジュース約一本分)の水分が失われると言われています。
体重の約2パーセントの水分が失われただけでも、口やのどの渇きだけでなく、食欲がなくなるなどの不快感に襲われ、約6パーセント不足になると、頭痛、眠気、よろめき、脱力感などに襲われ、情緒も不安定になってきます。
さらに10パーセント不足すると、筋肉の痙攣が起こり、循環不全、腎不全になってしまい、それ以上になると、意識が失われます。
そして、20パーセント不足で死に至るそうです。

人間は70~50%が水分でできています。50㎏の方では30~25リットル程度の水分があります。300mlと言うと約1%になり状況によっては不快感が出てもおかしくはありません。
寝起きの脱水で搬送された方は恐らくそれに加えて入浴、熱帯夜など悪い条件が重なったものと思われます。

(予防)
基本的には熱中症対策と同じになります。
・一定時間で電解質を含んだ水分の補給をこまめにする
・室温が上がりすぎないように調節をする。
・熱い場所で運動や労働をしない。
・塩分のほかに糖分も必要だが、取りすぎると急性糖尿病(特に子供は体が小さく糖の許容量が少ないので濃さや量に注意)の危険があるので注意する。
※食事の後は電解質が足りてる場合が多いので、水だけでも良いかもしれません。
・カフェイン・アルコールには利尿作用があるので、脱水になりやすい人は控えめに。
・夏こそ、常温以上の温度の飲み物を。 消化器は冷えると動きが鈍るため、体温調節上あまりよくないようです。
・寝る前にコップ1杯水を飲む →トイレに起きたくないからといって控えると体温の上昇で脱水気味になり結局体は休まらないということになります。
・朝起きて、コップ1杯水を飲む
・寝ている間の温度管理をしっかりする(機械の自動設定などを活用)

などがあるそうです。

コップ一杯の水を飲む習慣はつけたいところですね。
夏も残りわずかです。頑張って乗り切りましょう!

古傷についての考え~考え得る原因とその対策

最近梅雨がぶり返したような天気が続いています。
そういった天気になると数か月前に負傷した部分の症状がぶり返すと言った訴えをされる患者さんも少なくありません。

そこで今回過去にケガをした部分、いわゆる古傷についてまとめてみようと思います。

原因について
1)気圧の影響
気圧低下によって症状が出る場合があります。これは内耳にある気圧受容器が反応して交感神経が活性化し、血管の収縮が起こります。血管の収縮によって古傷の周辺にある感覚神経を刺激してしまうそうです。
同様にストレスは交感神経を活性化させるため、同様の作用が起こり痛みがよみがえるようです。

2)天気の影響
天気が崩れると気圧が下がる事が多いようです。そういった変化があると気圧を感じるセンサーが敏感になって脳に伝達し、交感神経が活性化。先に説明した血管の収縮によって痛みが出るようです。曇りや雨の日は気圧の低下によって古傷がうずきやすくなります。

3)体の冷え
体の冷えは神経が活発になり痛みを感じやすくなります。冷え性の場合特に顕著なようです。

4)古傷が完治していない
古傷が痛む根本的な原因は、まだ「古傷が完治していない」可能性があります。そもそも完治していれば古傷は痛みません。痛むのなら完治していないとも考えられます。。

5)運動による再発
軽い運動をしたときに古傷が痛む人は多いのです。なぜなら、運動により筋肉が緊張するからだと言われています。特に、酸素や栄養が十分に足りていない場合、「乳酸」や「ブラジキンニン」「たんぱく分解酵素」の量が増え、それらの物質が痛みを引き出すことがあるのです。

対策
これらのきっかけによって不幸にも症状が出てしまった場合はいくつか対処方法があります。
1)緊張している部分の筋肉をやわらかくする
古傷を完璧に治すには長期的な視野で古傷と付き合っていかなければなりません。地道に治療を続けていけば次第に古傷の痛みもなることが多いと思います。

まず、緊張している部分の筋肉をほぐす必要があります。古傷の周囲にある筋肉は緊張しているのです。緊張している筋肉を温めたり、無理のない範囲でストレッチしたり、さすったりして筋肉の状態をよくする必要があります。

このほか具体的には温めて血行をよくしてあげると痛みがやわらぐことが多いと思います。入浴やカイロなどを利用しても効果的です。
また、「冷え」というと冬場をイメージしますが、夏でも冷房が効いているところは体が冷えやすいので注意が必要です。冷房が効いている職場で働いている方や冷房が効いているところで長時間過ごす場合は、古傷の周辺を冷やさないように注意が必要です(ブランケットや長袖の服など衣類を工夫すると良いかもしれません)。

2)規則正しい生活習慣をすごす
古傷の痛みは「ストレス」や「栄養不足」など生活習慣に関係しています。十分な睡眠の確保や栄養バランスが整った食事、ストレスとの上手な付き合い方、そして、適度な運動も(痛みが出ない範囲で)必要です。
コンビニ弁当やレトルト食品ばかり食べている人は栄養不足になりがちです。また、筋肉をやわらかくするための成分や凝固している部分を取りのぞくことはできません。栄養を十分に摂取するからこそ自然治癒力も向上すると考えます。

3)注意をそらす。
意識が行き過ぎると些細なことで痛みを感じやすくなります。完全に忘れることは無理ですが、意識しないようにすることはできます。古傷に意識が向かないように、仕事や趣味などに集中すると良いのではないでしょうか。不安であれば、温めればよくなる休めば元に戻るなど、ポジティブなイメージを作ることも重要です。

最後に古傷と言っても再受傷と言って再び同じ場所を傷めている場合もありますから、そういった時はお近くの整形外科や整骨院、接骨院にかかると良いかもしれません。

梅雨の過ごし方 後編

ようやく本日長野も雨らしい雨が降り、農作物にはめぐみの雨になったのではないでしょうか。ようやく本日長野も雨らしい雨が降り、農作物にはめぐみの雨になったのではないでしょうか。先日書いた梅雨の話に続きをしたいと思います。

睡眠

十分な睡眠を取る事は、自律神経の乱れを整え気持ちを安定させてくれます。最低でも毎日7時間は睡眠時間が確保出来るのが理想です。また、起床時間は毎朝同じ時間にすると、生活のリズムを安定させる事が出来ますから目覚まし時計を毎日セットすると良いかもしれませんね。理想はお休みの日、土日も同じ時間にすることですが・・・7時間以上の睡眠を取ることに重点を置きましょう。

温度/湿度の管理

1日の気温差が大きいほど、風邪をひきやすくなるなど体調不良になりやすいそうです。天気予報などで最高気温と最低気温をチェックして、夜のお出かけなどの際は衣類を調整出来るようにすると良胃とのことです。また室内対策としては、温湿度計を室内の数箇所にいくつか用意するのが理想。温度と湿度をこまめにチェックでき、室内環境をコントロールしやすくなります。湿度が高い場合には除湿機を使うと良いでしょう。

 食事(食べ方)

梅雨のシーズンは胃腸の動きも衰えやすくなりがちです。この時期の暴飲暴食は、胃腸に特に負担をかけてしまい体調不調の原因になりかねません。梅雨の間だけでも、食事の量を通常より3分の2程減らすことで体調が整うこともあるようです。また、食事をする時はゆっくりとよく噛んで食べるようにします。食べ物を口に入れたら、飲み込むまで30回以上噛むと満腹感を得られると言われていますからゆっくり噛んで食べる事で、暴飲暴食を防ぐ事が出来るのではないでしょうか。

食事(食べると悪いもの)

冷たい物や甘い物、生ものなどのとり過ぎは体が冷えやすくなってしまいます。人の体が冷えると新陳代謝の機能が低下してしまい、老廃物の排出がスムーズに出来なくなる事もあるそうですから、結果下痢、腹痛、むくみなどを引き起こしやすくなりますので注意が必要です。

食事(水分について)

梅雨の体調不良の原因のひとつに、体内に水分が溜まりすぎている事も挙げられます。梅雨は、特に体に水分が溜まりやすいとされる時期ですので、摂取する水分量にも十分注意する必要があります。1日に摂取する水分量は約1~1.5リットル程にキープすると良いでしょう。しかしアルコール類の飲み過ぎには要注意です。

食事(具体的なおすすめ食品) 

●利尿作用、むくみ改善… あずき、大豆、黒豆、そら豆、冬瓜、緑茶、昆布、あさり、はまぐり、きゅうり、トマト、はと麦、とうもろこし、魚類(スズキなど)※これらの食べ物は体を冷やす効果もあるので、冷え性の方は注意が必要です。 ●発汗作用、体を温める…しょうが、ねぎ、にら、香菜、さんしょう、シナモン、しそ、ペパーミント、唐辛子、にんにく、海老など。
●ストレス緩和… おくら、わかめ、セロリ、にんにくなど。
●食欲増進… しそ、らっきょう、ゆず、みかんの皮、さんしょう、香菜(パクチー) 体調不良を感じる時こそ、栄養バランスの整った食事が大事です。生活スタイル上、規則的な食事が取れない場合は、体に必要な栄養素(ミネラル)をサプリなどからとるのも良いですね。

いよいよ梅雨らしくなってきそうです。何とか乗り切って暑い夏に備えましょう。

梅雨の健康対策~体調管理を中心に

いよいよ長野市も昨日から梅雨入りしました。
梅雨になると体のだるさや疲れ、食欲不振、下痢、頭痛、風邪などを引きやすくなります。
これら以外にも変化の激しい気温などが原因となって度々見られる体調不良・・・。

そういったもの避けるためにも食事や睡眠などを見直し、正しい生活習慣を意識することが大切になります。そこで今回は運動や取り入れたい食品など、梅雨特有の体調不良を予防するポイントをまとめてみました。

<運動>
無理のない範囲での運動です。
運動をすることによって筋肉を刺激し血行や新陳代謝を促進し、体に不要な水分や老廃物が体から排出されます。
運動が苦手な方や痛みなどで運動ができない方は、ストレッチなど簡単なものでも良いと思います。
また膝や足首、股関節に問題がない方は日頃から、極力エスカレーターやエレベーターの利用を避けて階段を使うなど、筋肉に働きかける事を意識してみてはいかがでしょうか。

<休息やリラックス>
十分な休息を取って、気持ちをリラックスさせると良いかもしれません。
体調不良の原因となる自律神経の乱れを起こさないようにするため、日中の活動とのリズムをきちんと分けて、生活のメリハリをつけるようにします。
ゆっくり落ち着いてお茶や近所の方とお話をされるのも良いかもしれませんね。

<外出>
雨が降っていなければ、なるべく外出するようにしてみてはいかがでしょう。
日光を浴びると、体内時計を調整して気分転換にもなりますし、またより深い眠り(良い眠り)へと導いてくれます。
時間が取れない方は、お昼休みには外で食事をしたり少し散歩をしてみるなど、なるべく外の空気が吸えると良いです。

<入浴>
人はたくさん汗をかくと、その分汗腺の働きがよくなるそうです。入浴をする事で存分に汗をかく事ができ、また汗をかくことで気分もリフレッシュできます。寝る前に入浴すると心身共にリラックスできますし、よく眠れます。

※体調不良時の入浴ポイント
入浴の時間帯⇒就寝する30分前ほどがベスト
お湯の温度⇒約40度前後のぬるま湯
入浴時間⇒約30分程度
お湯の量⇒半身浴が出来る程度

他にもいくつかポイントがありますが、梅雨の中頃また紹介できればと思います。

水分補給~経口補水液について

徐々に暑い日が増えてきました。
暑い日が続くと汗も出やすくなり、テレビではしきりに経口補水液のコマーシャルが流れるようになります。そこで今回経口補水液の特徴やスポーツドリンクとの違いについてまとめてみます。

経口補水液
水に塩分(塩化ナトリウム)と糖分を一定の割合で配合した飲料。
体液とほぼ同じ浸透圧で吸収率・吸収速度が非常に優秀、「飲む点滴」とも呼ばれるそうです。
スポーツドリンクに比べて糖分が少なく塩分(電解質、ミネラル)が多いようです。

スポーツドリンク
水分、ミネラル、糖分、電解質をバランス良く配合した飲料。
浸透圧を下げ、胃腸への負担を軽減しながら吸収速度を上げているそうです。
経口補水液に比べて塩分(電解質、ミネラル)が少なく、糖分が多いようです。

つまり、糖分が多いのがスポーツドリンク、塩分が多いのが経口補水液ということになります。
ただ、スポーツドリンクは500ml(ペットボトル1本分)で一日の糖分の摂取量基準(WHOの基準)と同等となり、糖分を摂り過ぎになりがちになりますから経口補水液の方が良いかもしれません。
もちろん経口補水液も万能でなく、塩分が多いためやや喉が渇きやすい傾向にあり、飲みすぎの恐れも出てきます。それに本来の用途が「下痢・嘔吐・発熱に伴う脱水や過度の発汗による脱水」状態に適したものであり、脱水状態の改善には水分だけでなく塩分も必要なため、スポーツ飲料の倍以上の塩分が入っています(ほぼ病中病後の飲料水と言ってもおかしくはありません)。ですから、特に高血圧、心臓病、腎疾患などを患っている方は注意が必要です。

実際のところ普段は薄めたスポーツドリンクを飲み、外仕事などで調子が悪くなった時は経口補水液というように使い分けると良いかもしれません。
それに、一番重要なのは水分そのものですから、スポーツドリンクを飲みなれていない場合はお茶を飲み、不足した糖分や塩分は、塩飴やお菓子、漬物で補う(もちろんたくさん食べるのはよくありませんが)という方法も有効ではないかと思われます。

これから暑い日がやってきますが、何とか乗り切りたいですね。

梅の効能

いよいよ春めいてきましたね。

整骨院の梅の花も満開を迎えています。

今日は梅(梅干し)の効能について、整骨院的な視点からまとめてみようと思います。

カルシウムの吸収促進
骨の材料であるカルシウムは水に溶けにくく吸収率の低い栄養素ですが、クエン酸と一緒に摂取すると水溶性に変化し腸管からの吸収率がアップするとの報告があります。※骨粗鬆症の方は、必ず適切な治療を受けてください。

ダイエット効果
クエン酸が豊富な梅干は、エネルギーを無駄なく変換でき、余分な脂肪を作りにくくするようです。
また、食事をすることによる血糖値の上昇なども妨げますので、ゆっくりと梅干を食べながら摂る食事は、ダイエットにも効果があるとのことですね。。

鎮痛作用
「こめかみに梅干しを貼ると頭痛が治る」という言い伝えがあるそうです。梅干しの香り成分ベンズアルデヒドには、痛みを鎮静・軽減する効果があると言われています。わざわざこめかみに貼らなくても、香りを嗅ぐだけで同じ効果は得られるそうです。

また、減量の効果、抗酸化作用による肉体年齢の維持などによって関節への負担軽減もあるようです。

脂肪燃焼作用
梅干の中には、ダイエット(脂肪燃焼効果)を期待できる成分(バニリン)が含まれているとのことです。

抗酸化活性作用
活性酸素は癌や生活習慣病を引き起こす原因といわれていますが、梅干しに含まれる梅リグナンには酸化反応を抑制する作用があり、細胞や組織が酸化するのを防ぎます。

疲労回復効果
梅干に含まれる「クエン酸」には、疲れの原因となる乳酸を抑える働きがあります。「梅干を食べると身体の調子が良い」という声をよく聞きますが、これは「疲労を感じる物質を体内で作らない」ということなのです。

このほか、高血圧化の抑制、虫歯予防、食欲増進効果、血液浄化作用、食中毒予防、インフルエンザ
予防、胃がん予防、糖尿病予防などと言った「!?」のような効能も報告されているそうです。
恐らく病院の処方薬に比べるとやや効果が優しい面も多々ありますが、毒ではありませんね。

これから活動量も増える時期、梅を使った漬物、料理を食べて乗り切りたいところですね。

健康そうなのに栄養失調?~高齢者のたんぱく質について

最近患者さんから聞いた話ですが、高齢のお友達が普通に食事を摂っているのに内科で栄養失調と診断されてしまったそうです。
そのお友達と患者さんは大変驚いたそうですが、実はよくあることなのです。

実は年齢を重ねると、多くの場合、アルブミン(肉や魚などのたんぱく質をもとに体内で作られるもので、筋肉や血管、免疫細胞などの機能に不可欠な成分)を作る力が徐々に弱まる傾向にあります。
だからこそ、高齢者は若い時以上に意識して、肉などのたんぱく質を多くとらないと、アルブミンの減少が加速し、栄養失調や脳血管障害、などさまざまな病気が進行する要因となるのです。

今日はメンチカツの日(3/7→ミシチ→ミンチ(カツ))だそうです。肉などのたんぱく質を摂って健康増進を目指しましょう。

冬の痛みと対策

12月も残すところわずかとなり、いよいよ本格的な冬のシーズンがやってこようとしています。
それにつれて昔の古傷やわずかなきっかけで体を傷めるなど、秋までにはなかった症状が出てくることがあります。
冬になって痛みが出やすくなる理由として気温の低下がありますが、なぜ気温の低下が症状と関係するのでしょうか。
それは、気温の低下によって体の柔軟性が低下し、痛みが出やすくなることと、冬で外出や運動の機会が減り活動量が減ることによってされに柔軟性の低下に追い打ちをかける負のスパイラルに陥ることがあるからです。

そんな時は、寒くてもほどほどに体を動かすのが理想ですが、今度は外気で内臓が不調をきたす場合もありますから、室内での運動が良いのかもしれません。
簡単なものとして、「腕ふり足上げ体操」があります。
以前もお話ししたのですが、復習です。

準備として、事前にキッチンタイマーや時計など時間がわかるものを用意してください。
方法は、

①背筋を伸ばして立つ。
②その姿勢から腕を大きく振って足を高く上げ、リズミカルに足踏みする。(移動しないでウォーキングをするような感じで行うこと)
③手足を動かす速さは、ややゆっくりと(普通に歩く時よりも大きく手と足を振る)
④時間は「1回3分間で1日3回」が目安です。

また足が不自由な方は、足を動かさず、腕を振るだけでも同様な効果がありますから、立つことが大変な方は椅子に腰掛けたり、畳の上に座った姿勢で行うのがオススメです。

比較的軽い運動になりますから、継続が重要です。
忘れた!と思ったらすぐ行うようにしてください。